危険な国産10万円インプラント

インプラント きぬた歯科

危険な国産10万円インプラント

危険な国産10万円インプラント

危険を承知の上で「激安国産10万円インプラント」を導入する専門医たち

インプラント治療を受けるにあたって注意したいのが、インプラントの安全性と耐久性です。現在、日本国内には約40種類のインプラントシステムが存在しますが、安全性と耐久性が十分実証されたものとなると、ストローマンもしくはブローネマルクのシステムに限定されます。ストローマンには30年余、ブローネマルクには45年余の実証年数があります。

かつて雑誌などで話題になり、多くの歯科医師に支持された某有名国産メーカーのインプラントが、後年、悲惨な事故を引き起こして問題になったことがあります。被害を受け、後遺症に悩まされている患者さんたちに対して、このメーカーはいまだに何の責任も取っていません。以後、ほとんどのインプラント専門医院は、海外製のインプラントシステムを採用するようになっています。

ところが、ここ暫くのあいだに、まだ安全性が証明されていない「激安国産10万円インプラント」が再び出回り始めています。インターネットなどを見ると、1本4~15万円などといった従来ではあり得ない広告宣伝を見受けます、これらのインプラントが危険なことは歯科医師なら誰でも知っているはずなのですが、「激安国産」をウリするケースが急増しているのです。

その理由は、歯科医院も過当競争の時代を迎え、少しでも利益率を上げたいという、利益優先の考え方にほかなりません。しかし、ことインプラントに関しは、「安ければ良い」は当てはまりません。

どのインプラントが安全か、それは数十年かけて、多くの治療データが得られてから初めてわかることです。国産だから粗悪品と決めつけるつもりは毛頭ありませんが、「激安国産10万円インプラント」の安全性が証明されていないことは紛れもない事実です。その安全性と耐久性を実証するには、まだ相当の年数を要することになるでしょう。

危険であることを承知の上なら、「激安国産10万円インプラント」も一つの選択肢かも知れません。問題なのは、安いこと、国産であることを逆手にとって「どんなインプラントでも原価は10万円しない」「日本人に合う」「国内一流メーカーのインプラント」などと良いイメージを演出し、患者さんに誤解を招く情報を与えていることです。

どのような理由であれ、予後がわからないインプラント治療を受けるのは、自ら治療費を払って実験台になるようなものです。したがって、「どのインプラントを採用しているか」は、医院を選ぶ上で重要なポイントになります。

激安国産10万円インプラントを使用

下のレントゲン写真はインプラント学会指導医による治療です。自著の中で保証は超長期、かつ骨造成にも自信を持っていて、自らを「秀才」と述べているのにも関わらず、この様な事故を起こしてしまいました。私の知っている限りでは、平成23年時点で3人の元患者から訴訟を起こされています。

副鼻腔などにインプラントが迷入

上顎の治療で最も多い事故は、副鼻腔や上顎洞にインプラントが迷入するケースです。副鼻腔、上顎洞は上顎のすぐ上にあるため、骨の厚さを正確に把握しないとドリルを貫通させてしまうことになります。結果インプラントが副鼻腔や上顎洞の空洞に落ち込み、炎症・出血・蓄膿症などの発症につながります。


激安国産7万円インプラントで事故

インプラントには相場があります。適当なインプラントを導入する歯科医は、当然のことながら技術も適当です。

下顎の骨内には感覚をつかさどる神経の束があります。下の写真は、そこに誤ってインプラントが埋入された事故。この患者さんは左顔面に麻痺が残りました。


激安国産15万円インプラントで事故

インプラントは95%以上が半永久的にもつといわれています。にもかかわらず、埋入された8本のうち5本が1ヶ月以内に脱離、2本が破折していました。


偽インプラントの料金トラブルで訴訟に発展したケース

まだ歴史の浅い国産インプラントを使っているにも関わらず、「実績のあるインプラント」と偽って、高額の治療費を請求するケースも後を絶ちません。写真は千葉県内の某歯科医院で使用されていたインプラント。ブローネマルクのシステムに似た形状ですが、よく見るとネックの部分が微妙に違います。ところが、この医院はブローネマルクと偽って2本で100万円の治療費を請求。治療後、この患者さんが上部構造(上の歯)の不具合を訴えて当医院に来院したことから偽りの治療だったことが発覚しました。


"使い回し"する医院まで登場

2010年1月29日愛知県豊橋市にある歯科医院で「インプラントの使い回し疑惑」が浮上。週刊朝日が複数回にわたって、この事件を報じました。

※同誌より意見を求められ、当医院は「インプラントのリスク面を説明しない歯科医院では、治療を受けない方がよいでしょう」とのコメントが2009年11月20日号に掲載されました。


手に負えなくなり大学病院に依頼したケース

この患者さんは、都内の○○病院で激安国産10万円インプラントによる治療を受けてしまいました。治療後、左鼻から膿が出るようになり、その旨を○○病院に訴えると、A大学病院の耳鼻咽喉科を紹介されました。
A大学病院は埋入したインプラントに原因があると診断、撤去の検討を勧めました。(①)
しかし、〇〇病院の担当医は撤去手術にリスクがともなうことから、今後はB大学病院の耳鼻咽喉科に依頼(②)。
その後B大学病院において撤去手術が行われることになりました。(③、④)。
この間、患者さん本人が不安にかられ、紹介を受けて当医院に来院、アドバイスを求められました。

診断情報提供所

〇〇病院 歯科口腔外科
Y先生へ

ご紹介いただいた左上顎洞炎の患者様です。
鼻処置を含め当医院でフォローしておりましたが、改善乏しく、やはりインプラント埋入に因果関係があると考えられます。インプラント周囲円も認められ、当方口腔外科にも相談しましたが、改善しなければインプラント撤去が必要とのことでした。
申し訳ありませんが、インプラントの撤去をご検討頂けますでしょうか?よろしくお願い致します。

平成22年10月5日
A大学病院耳鼻咽喉科 wより

診断情報提供所(紹介状)

B大学病院 耳鼻咽喉科
C先生へ

先日の学会では貴重な特別講演ありがとうございました。今回ご紹介する方は、当科で左上顎ソケットリフト方を用いて▲▲▲のインプラントを③本植立した患者様です。術後、洞内の炎症症状が残存し、マクロライド長期内服を行いましたが、改善がみられません。早期にはインプラントの除去を考えましたが、除去することの外科的侵襲が逆に洞内の炎症症状が残存していることによる同口腔内瘻孔をきたすリスクがあったため、行っておりません。洞内の炎症症状を先生が行われている手術方法で改善されればと考えております。ご高診の程よろしくお願い致します。

平成22年10月13日
〇〇病院 歯科口腔外科 Yより

紹介患者診療結果報告書

〇〇病院 歯科口腔外科
Y先生へ

ご紹介ありがとうございました。左側に上顎洞炎が認められます。内視鏡下、後鼻洞も認められます。当院口腔外科のK先生がコンサルトし、治療方針を決めて頂きます。当科的治療としては上顎洞開放術が必要ですが、鼻中隔湾曲が高度ではないので、この手術そのものは局所麻酔で可能かもしれません。瘻孔となったインプラントの処理につきましては、K先生とご相談させて頂きます。

平成22年10月15日
B大学病院 耳鼻咽喉科 Cより

紹介患者診療結果報告書

〇〇病院 歯科口腔外科
Y先生へ

来年×月×日、K先生と一緒に手術を行うことになりました。
当科では鼻内から上顎洞(他の副鼻腔も含む)開放術を行い、口腔外科ではラテラルウィンドウを開けてインプラントの上顎洞突出部を確認します。
K先生のお話では、突出部を研磨しアパタイトコーティングの部分を除去するだけでいい場合もありますが、インプラント抜去の可能性もあるとのことです。抜去する際には、インプラントを埋入されたY先生のご了解が必要になります。一度、Y先生からK先生に直接ご連絡頂き、ご相談下さいますようお願い申し上げます。

平成22年10月22日
B大学病院 耳鼻咽喉科 Cより


インプラントには適正価格があります。

価格破壊をすると意気込んでいる職種のほとんどに、ほころびが出てきます。

通常1000円前後するユッケを280円で提供し、5名の死亡者、24名の重症者を出した焼き肉店、失明者まで引き起こした激安の近視矯正手術のレーシック医院、1本15万円の使い回しインプラント、東京では自称年間5000本と宣伝する激安インプラントの先駆けの理事長が強制わいせつ罪で逮捕される事件までありました(その後 示談→不起訴)。

インプラントは体の中に入れるものです。

取り返しのつかない結果になる前に、慎重に検討なさってください。

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